【詳細】イスラム教徒の礼拝ガイド、これだけ読めばすぐ実践できます

イスラム教

イスラム教徒が礼拝をする理由

クルアーンの記述

イスラーム=絶対帰依するものでしたね。つまりイスラム教徒は神の言葉であるクルアーンに絶対的に従います。それではクルアーンの中で礼拝についてどう書かれているのかみていきましょう。

 

礼拝の務めを守り、定めの喜捨をなし、使徒に従え。そうすればあなたがたは、慈悲にあずかるであろう。クルアーン24 御光章56節

 

あなたに啓示された啓典を読誦し,礼拝の務めを守れ。本当に礼拝は,(人を)醜行と悪事から遠ざける。なお最も大事なことは,アッラーを唱念〔ズィクル〕することである。アッラーはあなたがたの行うことを知っておられる。クルアーン29 蜘蛛章45節

ハディースにみる礼拝

クルアーンは神からの直接の言葉で、イスラム教徒にとって大切な聖典です。それにプラスして『ハディース』も聖典として扱われています。
ハディースとは、預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)の言行録です。預言者が実際に話したこと行ったことがまとめられている書物で、預言者と同じ行いをすることをスンナといいます。スンナ派のスンナはここからきています。

 

ある男が預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)に尋ねた。
「一番善い行いというのはなんですか。」 男は同じ質問を3回した。3回とも、答えは礼拝であった。
4回目が、 「アッラーのためのジハードです。」であった。
「審判の日に裁かれるときに一番にしもべに問われる行いは、礼拝です。これが良ければ全ての行為は善いと見做され、これがだめであれば、全てがだめということになるでしょう。」アハマドとイブン・ヒッバーンの伝承
アッラーは1日5回の礼拝を課せられました。
時間通りに、体を清め、ルクーウし、サジダをして、アッラーを畏れる気持ちもあれば、アッラーの赦しの盟約ができます。
しかし、それを守らない者はアッラーとの盟約もなく、アッラーが望まれるならば赦され、望まないならば懲罰が与えられるでしょうマーリク、アハマド、アブー・ダーウード、ナサーイーの伝承

このようにハディースでは、礼拝の恩恵を伝えています。
礼拝は善い行為であり、人間の犯したいくつかの罪を洗い落としてくれます。礼拝は人間が犯した悪いことについての赦しを求める良い機会となっています。

 

礼拝回数と時間は?

礼拝は1日5回と決まっています。

本当に礼拝には、信者に対し定められた時刻の掟がある。クルアーン第4章 婦人章103節
  1. ファジュル……明けがたから日の出
  2. ズフル……正午から昼すぎ
  3. アスル……昼すぎから日没
  4. マグリブ……日没直後
  5. イシャー……就職前

礼拝時間は毎日少しづつ変化します。これは太陽の位置によって決まっているからです。
地域や季節によって時間が変わっていきます。

礼拝はどこでしたらいいか?

礼拝は家の中でも、職場でも田の中など、どこでやってもかまいませんが、清潔でなければなりません。

しかし、時間的に余裕があれば近くのモスクに行き、集団礼拝に参加しなければなりません。

礼拝する方向が決まっています

礼拝はメッカの方角を向いて行います。この礼拝を行う方角のことをキブラといいます。
キブラを向いていない礼拝は無効となります。そのためコンパスを持ち歩く人もいます。

イスラム教徒の宇宙飛行士のキブラはどうなるかについて多くの学者が集まって話し合った結果、宇宙飛行士に任されるという結論になったようです。

礼拝は男女別で行います

礼拝と体の清めは男女別に行います。
大きなモスクでは男女別でお互いがみえない場所で礼拝を行います。もし、違う場所を用意できない場所ではパーテーションで区切って互いがみえないようにします。
区切るものもない場合は、男性の目に女性が入らないように前列に男性が並び、後列に女性が並んで礼拝をします。女性をみると男性が礼拝に集中できなためとされています。

礼拝前に体を清めます

礼拝を行うためには体を清めなければなりません。これもクルアーンで定められています。

信仰する者よ、あなたがたが礼拝に立つときは、顔と、両手を肘まで洗い、頭を撫で、両足を踝まで(洗え)クルアーン第5章食卓章6節

預言者ムハンマド(彼の上に祝福と平安あれ)もこう言いました。

「礼拝は、清浄なしでは受け入れられません」

体の清め方(ウドゥー)

  1. ビスミッラー ヒッラフマー ニッラヒーム(慈悲深く、恵みぶかき、アッラーの御名において)と唱える
  2. 両手を洗う(3回)
  3. 右手で、口に水を含みすすぐ(3回)
  4. 右手で、鼻の穴に水をいれ鼻を洗う(3回)
  5. 右手で、顔を洗う(3回)
  6. 手首からひじまで、右左の順に洗う(3回)
  7. 手を流して額からうしろの方向に髪をさわる。一度手を流し、両手人差し指で両耳の穴をさわる。
  8. 足を洗う、足の指の間から踝まで(3回)
  9. アッラー フンマッジアルニ ミナッタッワビーナ ワジアルニ マナル モタタッヘリーナ(アッラーよ、我が悔い改め清潔な人になるように)と唱える

※一度行ったウドゥーが無効になり、再びウドゥー必要する事柄は6つあります。

  1. 小便、大便、放屁、精液や我慢汁、血が流れた場合
  2. 熟睡や失神、酩酊などで理性を失った場合
  3. 精器に直接触れた場合
  4. 性交や月経、産後の出血
  5. イスラムの棄教
  6. ラクダの肉を食べた後

体の清め方(グスル)

全身を洗い清めることをグスルといいます。シャワーを浴びて全身を洗います。グスルが必要な状態では、ウドゥーだけでは十分ではありません。グスルが必要な場合は以下の通りです。

  • 性交したあと
  • 夢精したあと
  • 生理や出産の出血がある時期が終わったあと

体の清め方(イスティンジャ)

イスラム教徒は、小便大便のあとに洗浄します。これをイスティンジャといいます。
ウォシュレットが便利ですが、ない場合はペットボトル等を用います。

 

礼拝のやり方完全ガイド

礼拝はラカートと呼ばれる一連の動作を繰り返します。ラカートの回数は表にまとめました。

  • キヤーム
  • ロクー(両手をひざにあて、おじぎをする。)、
  • サジダ(頭を地につけておじぎをする。)、
  • カーダ(正座のようにすわる)
スンナ(前) 礼拝 スンナ(後) 任意
ファジュル 2 2
ズフル 4 4 2
アスル 4
マグリブ 3 2
イシャ― 4 2 3

礼拝動作の詳細を以下に記述します。

  1. 両手を両肩まで上げて「アッラーフアクバル(アッラーは偉大なり)」という。
  2. 右手を左手に重ね体の前に置き、サジダする場所に目を落とす
  3. 「アウーズ ビッラーヒ ミナッシャイターニッラジーム(私はアッラーに呪われし悪魔からのご加護を願います」と唱える
  4. 「ビスミッラーヒッラヒマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈悲深きアッラーの御名において)」を唱える
  5. アル=ファーティハ章を唱える。アルファーティハ章の終わりにアーミーンと言う
  6. クルアーンの章を唱える
  7. 両手を上げて「アッラーフアクバル」という
  8. 両手を膝につけ、腰を曲げる(ルクーウ) ルクーウ中に「スブハーナ ラッビヤルアズィーム」と3回唱える
  9. 体を起こし、「サミアッラーフ リマン ハミダ(アッラーは賛美する者の声を聞きたもう)という
  10. サジダを行う 額と鼻を床に付ける
  11. 「アッラーフアクバル」と言いながら頭を上げて座る。右足の指先をキブラに向ける
  12. 「ラッビグフィルリー ワルハムニー ワジュブルニー ワルファアニー ワハディニー ワ アーフィニー ワルズクニー」(主よ、私を赦し、私に慈悲をかけ、私を正し、私の地位をあげ、私を導き、私を守り、私に恩恵を与えてください)と唱える
  13. もう一度サジダし 「スブハーナ ラッビヤルアアラー」を3回唱える
  14. 「アッラーフアクバル」と言いつつ立ち上がる必要なラカート分の回数を繰り返します。
  15. 必要な回数が終わったら13の状態で立ち上がらず座ったままタシャッフドを唱える
    アッタヒーヤートゥ リッラーヒ ワッサラワートゥ ワッタイイバートゥ
    「全ての挨拶と祈りとよき言葉はアッラー、あなたに捧げられます」アッサラーム アライカ アイユハンナビーユ ワ ラハマトゥッラーヒ ワ バラカートゥフ
    「預言者よ、あなたの上に平安とアッラーの慈悲と祝福がありますように」アッサラーム アライナー ワ アラー イバーディッラーヒッサーリヒーン
    「私たち、そしてアッラーの敬虔なしもべたちに平安あれ」アシュハドゥ アッラー イラーハ イッラッラーフ ワ アシュハドゥ アンナ ムハンマダン アブドゥフ ワ ラスールフ
    「私はアッラーの他に崇拝すべきものはないことを証言します。そして私はムハンマドがアッラーのしもべであり、使徒であることを証言します。」
  16. 挨拶(タスリーム)をする。右を向き「アッサラーム アライクム ワラハマトゥッラ―」といい左にも同様に挨拶をする。

特別な礼拝

金曜日の礼拝

イスラム教にとって金曜日は聖なる特別な日です。最初の人類であるアダムが創造された日も、エデンから追放された日、そして審判の日も金曜日だとされています。

あなたがた信仰する者よ,合同礼拝の日の礼拝の呼びかけが唱えられたならば,アッラーを念じることに急ぎ,商売から離れなさい。もしあなたがたが分っているならば,それがあなたがたのために最も善い。クルアーン第62章 合同礼拝9節

上記のクルアーンにあるように、金曜日の昼は、参加できる全ての人にモスクでの合同礼拝が義務付けられています。
参加が免除されるのは、女性、病人、未成年者、旅行者ですが、参加しても問題ありません。
イスラム教の金曜日はユダヤ教の安息日ように全日が休みになるのではなく、合同礼拝が終わると何をしても問題ありません。

金曜の礼拝は、イスラム教に関する説教と2ラカートの礼拝がセットになっています。
金曜の合同礼拝は、ムスリム同士の緊密な関係と親愛の情を強化する機会の場となっています。

イードの礼拝

ラマダーン明けと犠牲祭の日に行われる礼拝です。

日食や月食になると行う礼拝

日食や月食はアッラーのお力によるものです。
そのためこの間に、2ラカートの礼拝と説教がスンナとされます。

旅行中の礼拝(カスル)

イスラム教は困難を求めません。旅行者が見知らぬ土地で礼拝を決まった時刻に行うのは大変です。
そこで、ラカートの短縮(カスル)が認められています。
ファジュルとマグリブを除く礼拝が2ラカートに短縮できます。もちろん通常通りのラカート回数でもかまいません。
さらに、ズフルとアスル マグリブとイシャ―の礼拝を一度にまとめて2回分行うことができます。

  • ズフル、アスル、イシャ―の礼拝が4ラカートから2カラートに短縮
  • ズフルとアスル、マグリブとイシャ―をまとめて1度に2回分できる