アジア圏の経済発展とビザの緩和によって訪日するイスラム教徒の数が年々増加しています。
2020年はオリンピックもあり、訪日するイスラム教徒は140万人を超えることが予測されています。
2020年は観光産業が非常に盛り上がる年になりそうです。
しかし、受け入れる側の私たちはイスラムに対する知識が十分とはいえません。
そこでこの記事では、イスラム教徒が他の宗教施設である神社や寺を観光することができるのかについて書いていこうと思います。
神社や寺を観光できる
結論から言うと、イスラム教徒は神社や寺を観光できます。
観光することができるといっても、参拝やお参りといった宗教的な行動は取ってはいけません。
あくまで、みるだけに限られます。
その理由をみていきましょう。
神は唯一の存在(タウヒード)
イスラム教ではアッラー(神)は唯一の存在であり、アッラーの他に神は存在しません。
そもそもイスラームの語源は、「神に帰依するもの」です。アッラー以外の神を信仰する行為は許されません。
この唯一の神を信仰することをタウヒード(一元性)といいます。
神道は多神教ですね。多神教のことはシルク(多元性)と呼ばれます。
イスラム教でシルクは大罪とされます。
つまり、神社や寺で宗教的な行動を取ることはシルクですので大罪です。
しかし、みるだけなら信仰したことになりませんので、問題ありません。
偶像崇拝の禁止
偶像とは辞書でみると
イスラム教では、偶像を崇拝することが禁止されています。
偶像崇拝の禁止は、モーセ(彼に平安あれ)の十戒の中の一つに「わたしのほかに神があってはならない」があります。
十戒以前は黄金の子牛を作って崇めたり、エジプトでは偶像崇拝がありました。
これに対して神は、偶像は神ではないと人間を戒めたのです。
話を観光に戻すと、寺には仏像がたくさんありますよね。
みるだけなら構いませんが、この理由からも参拝はできないことになります。
おみくじとお守りも禁止です
気を付けなければならないのが、お守りをプレゼントしてしまうことです。
お守りは祈祷してありますよね。
これを持っていることは信心がなくとも宗教的に意味があることになります。
そのため、お守りはプレゼントされても困ってしまいます。
また、おみくじを含む占いはイスラム教で禁止されています。
なぜなら、未来に起こることはアッラーがお決めになられることです。
占いを信じることはアッラー以外のものを信じていることになってしまうので、禁止なのです。