スーダンの町中の至る所で見かける謎の壺の正体に迫る

ライフスタイル
スポンサーリンク

スーダンのコロナの患者数推移は4月17日を境にして急激に増加しており、歯止めが効かないような状況になっています。医療設備が十分ではないスーダンですからこのまま患者が増加することは医療の崩壊を意味します。すでに酸素ボンベは足りずに患者は隔離施設で野晒しになっているのではないかという情報も入ってきています。コロナが急速に拡大する要因を一つ取り上げてみます。

追記 11月
スーダンでは気温のあがった5月頃よりコロナの患者数が激減しました。ところが11月に入りスーダンも朝晩の冷え込みが厳しくなるにつれて、コロナの患者数が急上昇しています。1日の患者数が200人ずつ増えています。
こうしてみると、コロナは他の風邪のウイルスと同様に気温の低下と乾燥が感染拡大をもたらすということがわかってきます。

貧困層の住居

首都ハルツームの家賃相場は年々上昇を続けており、1日1ドルほどで暮らしている貧困層にとって払える金額ではありません。彼らは空き地に布と板で仮設の住居を作り、そこで暮らしています。もちろん水道や電気はありません。それでも彼らが暮らせていけるのは、富裕層からの助けがあるからです。

この住居はトイレの設備がなく、人々は野外排泄を行うので衛生的に問題があります。また、気温が下がる冬には風が通りやすく体調を崩す人が多くなります。

水は喜捨するもの

日中の気温が40度を超える日が連日続く砂漠の国スーダン。じっとしているだけでも汗をかくほどですので、こまめに水分補給をしないと命にかかわってきます。そんな厳しい環境のスーダンでは道端にジールと呼ばれる素焼きの壺が置かれています。ジールのなかには水が入れられています。ジールはお金に余裕がある人が善意で設置し管理されています。ジールに水を入れておくと少しずつ染み出た水分が蒸発し、その気化熱で中の水が冷たくなります。電気のない時代に人々は少しでも冷たい水を飲めるようにと考え出された生活の知恵ですね。

このジールの水は誰でも使っていいものなので、水道設備のない住居に住む人はこの善意の水のおかげで日常生活を送ることができます。イスラームにおいて困っている人を助ける喜捨は良い善行と考えられており、生活に不可欠な水を困った人のために共有する助け合いの文化が存在します。

近年では伝統的なジールに代わって電気式水道を設置する人が増えてきています。電気式のほうが水が冷たくなります。私の住むアパートのオーナーもこの水道を道に面した場所に設置しており、誰もが使えるようになっています。

コップの回し飲みが大問題

このようなジールや水道にはコップが備え付けられていて、多くの人がこのコップで水を回し飲みしています。この場所では鎖で盗まれないように縛り付けられていますから洗剤で洗うことはありません。この備え付けのコップで不特定多数の人が水を飲むことで簡単にコロナの感染が広がってしまうのです。困った人のために善意で設置されている水がコロナを広げる要因となってしまっているのは悲しい現状です。