イスラーム教に改宗する前のイメージはイスラームは男性社会で、女性の自由は制限されていると思っていました。
しかし、実際に結婚生活を送っていく中でそのイメージはだんだんと変わっていきました。
男性も女性も家庭生活で権利と義務と責任を負い、良いバランスをとるようにイスラームでは教えています。
ハディースからみる夫婦
夫婦はお互いに、それぞれの要望を満たしあう気持ちを持ち、ときには譲歩しても相手の満足のために尽くすべきとされます。
また時には相手に至らないことがあることを認めつつ、受け入れることも必要とされます。
これって頭の中ではわかっていてもなかなか行うのはむずかしいですよね。
そこでいつも思い起こすのがムハンマド(彼の上に平安と祝福あれ)を手本とすることです。預言者は史上最高に良い人ですから、この人を真似していたら間違いありません。
預言者ムハンマド(彼の上に平安と祝福あれ)の言動をまとめたハディースなかには以下のような記述がみられます。
「あなたがたにとって一番良いことは、自分の家族にとって、あなたが最も善い人であることです。私もまた自分の家族に対して、最善を尽くしてきました」
この言葉を読むたびに、至らない自分を恥じ、精進しなければならないと自戒します。怒りに狂いそうなとき、この言葉を思い出すようにしています。
妻の権利と夫の義務
イスラームでは女性は共同体の中で守られる真珠のような存在とされています。外に出て世間の荒波と戦うのは男性の仕事です。女性は結婚し子どもを産み家を守ることが大きな役割とされています。だから主婦でも誰もなにもいいません。当然の権利となります。以下に妻の権利をあげてみます。
- 女性に相応しいマハル(婚資)を払うこと
マハルはお互いの経済状況を鑑み、決めることができます。 - 男性は妻を経済的に扶養すること
「預言者よ、夫のアブー・スフィヤーンはけちな男です。私は彼が知らぬうちに、無理矢理にそっと盗らない限り、私と子どもたちは生活費を得られないのです。」
「問題を大きくせずに、十分に取りなさい。そのように貰う権利があります。」
経済的な面で妻が夫に引け目を感じることはありません。そして男性は俺が養ってやってるといったような、でかい面をしてはいけません。 - 夫は妻に優しく接すること
「仲良く、かの女らと暮らしなさい。あなたがたが、かの女を嫌っても(忍耐しなさい)。そのうち(嫌っている点)にアッラーからよいことを授かるでしょう。」 『クルアーン第4章婦人章19節』 - 夫婦の交わりをすること
結婚後疎遠になる日本人は、ちょっと見つめなおしたいことですね。 - プライバシーの権利
夫婦であってもプライバシーは必要ですね。 - 教育の権利
女性であっても学ぶことを阻止されることはありません。
夫の権利と妻の義務
男性は世間の荒波に揉まれ、家族を支える代わりに家庭内では強い権限が与えられています。家族の方針を決める最終的な決定は男性が持っていることになります。
- 男は家長であること
男性は一家の大黒柱です。 - 夫は家庭の物事を決定する権利がある
決定する権利があるということは、家族を守る義務と責任が生じることになります。 - 夫が妻を夜招いたときには、彼女は従わなくてはならない
断る理由がないときには、お互いに断らないほうがよいでしょう。 - 夫の許可なしに、妻は家に他の男を招かない
疑わしい行為はお互いのためによくありません。女性だけでなく男性も勝手に女性を家にあげないほうがよいですね。
まとめ
夫と妻の義務と権利についてみていきましたが、権利には責任がついてくるので、男性はかなり大きな責任を肩に背負って生きています。
一方、女性は抑圧されているというイメージは払拭され、むしろ良い扱いを受けていることがわかります。
どちらにせよ、お互いの権利を尊重したうえで円満な家庭生活を目指すのが最善となりますね。怒りに狂いそうなときは預言者ムハンマド(彼の上に平安と祝福あれ)の言葉を思い出しましょう。