【レスリングの起源?】スーダンのヌバレスリングは世界最古!!

スーダン観光
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世界最古のレスリングとされるスーダンのヌバレスリングをご紹介します。

ヌバレスリングのヌバってなに?

「ヌバ」とは、スーダン中部に位置するヌバ山地に住む少数民族の総称です。
西欧の奴隷狩りから逃れるため山地に移り住んだと言われています。
農耕を生業とし、外部からの影響が少なく独自の文化を持っています。

どの文化圏でそうですが、強い者が尊敬されます。
ヌバの文化でも強い者を決めるための競技が独自のルールで行われてきました。
その中の一つがヌバレスリングです。

写真家メレディス・ダペンポートは
「ヌバ族にとってレスリングは単なるスポーツではなく、社会的、宗教的な意味を持っている。少年たちはレスリングの競技を通じて成長し、強いレスラーには一生を通して社会的地位が約束される。子孫繁栄や先祖崇拝、精霊崇拝とも切り離せない。それはヌバの文化そのものなのだ。」と言っています。

その歴史は古く3千年前から行われていたと伝えられるほどです。
最古のヌバ人レスラーの肖像が、紀元前1410年に亡くなった古代エジプトの役人の墓に壁画として残っています。

ヌバレスリングのルール

「直径20mほどの土俵で、相手を倒し腰から上を一部でも地面に触れさせると勝ち」
という極めてシンプルなルールです。

日本人の砂川さんが参戦した実際の首都ハルツームでの試合風景

砂川航祐コーチ スーダンでレスリング指導 /Wrestling Coaching in Sudan

ヌバの悲しい歴史

かつてスーダンはイギリス・エジプトの植民地となっていました。イギリス植民地政策の基本方針は「分割統治」です。

「分割して支配せよ」というフランスの国王ルイ 11世の言葉に由来する支配,統治技術の一つ。統治者が被統治者間の人種,言語,階層,宗教,イデオロギー,地理的,経済的利害などに基づく対立,抗争を助長して,後者の連帯性を弱め,自己の支配に有利な条件をつくりだすことをねらいとしている。過去の植民地経営,支配にしばしば用いられ,イギリスのインド統治はその典型とされる。現代でも,国際政治の分野だけでなく,国内における選挙 (都市票と農村票の分離) ,労働組合 (第1,第2組合の分裂) の対策など,対立の契機を含んだ集団の制御に適用できる。
出典:ブリタニカ国際大百科事典

200以上の部族抱えるスーダンの植民地支配では首都ハルツーム付近の開発に力が注がれ、都市部の人は豊かになるけれど地方部の人々は放置されてきました。
それは長引く内戦の要因にもなっていきます。
1985年、南部を拠点とする反政府勢力のスーダン人民解放軍(SPLA)がヌバ山地に勢力を拡大すると、政府はヌバ全体を敵とし、山地を包囲し、町を占領しました。人々は援助物資を絶たれ、10年以上も食糧難にあえぎながら生き抜いてきました。
2011年に南スーダンが独立しますが、ヌバ山地はスーダン領となっています。

このようにヌバの人々は長く苦しい生活を強いられてきています。

ヌバレスリングに期待すること

スーダンではいまだに植民地時代の分割統治の影響で人種・部族差別が少なからず残っています。
しかし、少数民族「ヌバ」の競技ヌバレスリングは首都ハルツームでも人気があり、スタジアムはいつも男たちで埋め尽くされ熱気が充満します。

人種部族を超えて人々を熱狂させるヌバレスリングが、スーダン統合の象徴になっていくことを期待しています。