みなさんこんにちは、リヤード齊木です。
イスラーム暦の9月であるラマダーンでは断食が行われることが有名ですが、実はラマダーンが終わった後も断食は続くんです。
今回はラマダーンが終わったあとに行われているシャッワールの断食について書いていきます。
シャッワールとは
シャッワールとは、イスラム歴の10月のことです。有名なラマダーンが9月ですから、ラマダーンの次の月ということになりますね。
シャッワールの初日が断食明けの祝祭イードルフィトルということになります。
6日間の断食がスンナ(推奨)
シャッワール6日間の断食がスンナ(推奨)とされています。スンナとは預言者ムハンマド(彼の上に平安と祝福あれ)が実際に言ったことや行った言動に則って同じ言動をすることです。
スンナは義務ではありませんが、預言者を愛するムスリムであるならば行った方がよいこととされ、多くの人がこれに倣います。
シャッワールの断食についての伝承によると、預言者はこう言ったそうです。
「ラマダーン月の断食をし、それから、それにシャッワールの6日間を続けた者は、あたかも1年間断食をしたかのようである」
約1年360日分の報酬がもらえる
イスラームでは善行は悪行の10倍の報酬があるとされています。
ラマダーンの約30日間を断食すると、その10倍ですから300日分の報酬が神様からもらえることになります。
でもこれだと1年分にはなりませんね。
だから、ラマダーンが終わった次の月のシャッワールで6日間断食をします。これは60日分の善行になります。
すると合計で360日とほぼ1年分となります。
36日間の断食で1年間断食をしたことと同じ、神様は優しいです。
シャッワールの断食のやり方
- 初日のイードルフィトルは皆で祝うお祭りなので断食してはいけません。
- 6日間を連続して行っても、間隔を空けて行ってもどちらでも問題ありません。
- シャッワールの断食とラマダーン中にできなかった断食との二重取りはできません。別物です。
- 朝の礼拝で、ニーヤ(意思表明)しましょう
クールダウンの意味合いも
1ヵ月間に及ぶ日中の断食は、健康に良いとされていますが、体が断食モードに入ってしまうためそれを元に戻すのに結構負担がかかることがあります。
そのため、急激に生活を変えるのではなく徐々に体を慣らしていくという意味でも6日間断食をする効果があります。
燃え尽き症候群にならないように
これは私の勝手な持論ですが、ラマダーン中はどのムスリムも非常に熱心に崇拝行為に及びます。
断食はもちろんのこと、クルアーンを全て読み切ったり、道行く人に食事を提供したり、喜捨をしたり、モスクにこもる人もいます。
熱心に行った分、ラマダーンが終わるとちょっとほっとして食べ物や遊びなど現世のことに捉われやすくなります。
そして燃え尽きたように神様から少し離れてしまいます。
そのようにならず、気を引き締めるためにもシャッワールの断食があると考えています。
断食は義務ではなくスンナですが、非常に大切なものだと私は思っています。